日本刺繍 紅会

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日本刺繍について



刺繍の文様・糸・技法

「絵」という文字は「糸偏に会う」と書き、「糸との出会い」と読むことが出来ますが、まだ筆も絵の具も無かった時代には、何らかの方法で糸を使って模様を表わしたと考えられます。糸が私たちの生活の中で古くから共に在ったことを伺わせてくれます。日本刺繍は長い間、着物の加飾法として受け継がれてきました。


文様

日本刺繍の作品を制作する上で最も重要視されているのが図案です。日頃、親しみ用いている様々な繍(日本刺繍を繍(ぬい)と呼んでいます)の文様の発祥は十世紀(平安時代)にまでさかのぼります。この頃、日本的な特色を持つ服装が生まれてきたと考えられていますが、それは男性の束帯であり、女性の十二単(ひとえ)であり、これらの色や文様は、位によって定められていたようです。このような位階・家柄の識別のために使われていた特色の文様を有職(ゆうそく)と呼び一般に日本の文様の基調となりました。この時代の秋草文様に始まる草花文は、江戸時代にはあらゆる花に及んでいます。現在では、写実に対して、デフォルメ・アレンジして正装用に様式化図案化した文様を、繍有職とよんでいます。


日本刺繍では、金銀糸と絹糸のみを使ってぬい表します。また、絹糸は撚り糸と撚りのかかっていない平糸(釜糸)を使います。平糸は、あでやかな光沢を保ち、撚り糸は力強く厚味があり文様の柄や大きさによって糸の太細、撚りの甘辛を自由に撚り分け、あるいは平糸のままでと使い分けます。また、絹糸は一度染めた色は二度と(同じ色は)出来ないと言われるほど微妙で、色数も無限にあると言えるでしょう。


技法

日本刺繍には定まったぬい方が46種あり、それぞれの呼び名にかくされている意味と働きを修得することによって、刺繍の表現は無限に深くなってゆきます。長い歴史の中で継承されてきた繍の伝統は、「技法、それを表わすこころの道筋」と言えるのかも知れません。繊維の宝石とまでいわれる絹の生地に、長い時間をかけ、心を込めて、一針一針ぬい上げてゆきます。