2007年日本刺繍世界展(イギリス会場)の趣旨
言葉、文化、思想、人種など様々に異なっていても、美は人々の心を豊かにし癒します。茶の湯を精神を深めるまでに高めた茶道など、技術と精神を一つにすることで芸術の域に到った日本文化芸能や武道が今も国内外で高い評価を受けています。紅会を設立(1970)し、それまで親方から内弟子へと口伝で受け継がれてきた職人芸を一般に門戸を開きました。この秘伝の公開が国内そして海外へと広がり、現在に至っています。

紅会とJ.E.C.(Japanese Embroidery Center)では、ただ“用”のために繍の技を習うのではなく、自らの内面を美しくする人間性・精神性を磨き深めることを大切にします。その内面の深まりが刺繍に現れ、刺繍だけでなく人間性を輝かす人生に至ることを願います。そのために、茶道や武道が禅の精神を取り入れたように、精神(道)と現象(繍)の融合:繍道(ぬいどう)を探求してゆきたいと願っています。
繍道探求(The Pursuit of Nuido)は止まることのない歩みであると心し、世界の方々と共に、さらに高め、深め、そして共有してゆくことを願っての繍道世界展(第三回)開催です。
そして、今回の三回展はイギリスの名門校・ケンブリッジ大学構内のKaetsu Culture Center での展示会と併行して、世界の同志達と席を同じくして「繍道Nuido」を学ぶ実技講座を同時開催いたします。

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![]() Kaetsu Educational and Cultural Centre in Cambridge |
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展示作品 イギリス風扇面流し

Japanese Embroidery Center イギリス会員が力を合わせて制作した「扇面流し」 イギリスならではの文様を刺繍してみてはという提案から、日本の典型的な文様の中に溶け込むようにして配置されている。
展示作品 興福院袱紗写し

江戸時代の最高峰とも言われる刺繍袱紗31枚を一同に展示します。
第三回繍道世界展イギリス(ケンブリッジ)レポート
イギリスのケンブリッジ大学構内の嘉悦教育文化センターにて7日から18日まで行われました。出展品はイギリスをはじめとする、フランス、ドイツ、アメリカ、ベルギー、そして日本から合計約100点展示されました。初日・オープニングレセプションでは日本から出展された興福院袱紗の説明や酒井抱一の「四季花鳥絵巻」の説明や、世界各国から寄せられた「繍道」に基いた作品のスライドレクチャーがありました。どのようなお声が寄せられたのか、その一端をお伝えさせていただければと 思います。
参加者の声
50代男性・フランス・パリ在住
(Q:展示会に来ての感想を聞かせていただけますか?)
私はフランス・パリからやって来ました。パリでは刺繍の組織を取りまとめています。この展示会あると私の友人から誘っていただき、この展示会の作品群を見た瞬間、釘付けになりました。特に三階に設置してある酒井抱一の「四季花鳥絵巻」写しに恋をしてしまい、作品を何時間もの間見ていました。
とても自然で とても美しく、この作品の背後には何百年の時を隔てあることを感じます。一人が作り出した芸術ではなく、数知れない先人の積み重ねがこの作品を作ったと思います。今日この作品に出会えて自分の気持ちを表す言葉は「幸せ happiness」です。本当です。
(Q:スライドレクチャーの感想を聞かせてください)
作品の紹介を聞いていてとても関心しました。作品の背後にある「道」によって
つくられていることを知り、これはとても自分にとって大切です。この芸術家の
心が、私の心に流れてきて、とても共感できました。田村修二氏が、作品について、 空のことや星のことを話したとき、自分と同じようなアプローチで物事を見ていらっしゃると思いました。私の心に響きました。
(フラクタルの作品について)心の地球で、地球の心(個は全体、全体は個の話を)聞いたとき、私たちは違いはあれどもこの惑星に属していること。フラクタル・六角形を見たとき、地球で一番最初に出来た分子の炭素の形も六角形だったことを思い出しました。私にとってそれは哲学的に言うと「瞑想」であり、大本、私たちはどこから来たのかということを想いました。



